ごあいさつ

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経済情勢や基準等が目まぐるしく変化する昨今、少しでも参考にして頂ければ幸いです。
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2019年1月
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134 特定目的の財務諸表監査の明文化

金融庁は、11月13日に行われた企業会計審議会監査部会にて、特別目的の財務諸表監査を対象として「準拠性に関する意見」の表明が可能との規定を監査基準に明文化する方向で議論を行った。

近年、投資事業有限責任組合監査やファンド監査等、特定の利用者のニーズを満たすべく特別の利用目的に適合した財務諸表に対しても、監査という形で信頼性の担保を求めたいとの要望が高まってきている。

一般目的の財務諸表監査の場合、会計基準への準拠性に加え経営者が採用した会計方針の選択や適用方法、財務諸表全体としての表示が適正表示を担保しているかといった実質的な判断を含めた意見(適正性に関する意見)が求められる。

一方、特別目的の財務諸表監査の場合、一般目的の財務諸表監査と異なり、保証範囲等が異なることから、適正性に関する意見は馴染まない事も多く、当該特定目的の財務諸表に関する会計基準に準拠して作成されているかどうかについての意見(準拠性に関する意見)を表明することがより適切と考えられる事から、今回の議論に至った。

監査基準が改訂されれば、平成26年4月1日以降に発行する監査報告書から適用される予定である。

120 不正リスク対応基準、関連法整備

不正リスク対応基準の制度化に向け、関連の法整備が進められている。
平成25年3月13日に、企業会計審議会第34回監査部会が開催され、不正リスク対応基準、及び、その他の検討課題として有価証券報告書等の提出期限の承認についても審議された。

監査法人による監査で不正等による虚偽表示が識別されたが、追加的な監査が終了しないため、有価証券報告書を提出できない場合などが有価証券報告書の提出期限延長のやむを得ない事情の1つとして列挙される見通しである。

会社側の対応としては、不正等が判明した場合、追加される監査の範囲や終了時期などを監査人と協議した上で再提出期限を設定し、財務局の承認を受ける形になるようだ。

117 「監査人の交代」基準の改正

日本公認会計士協会は1月29日、「監査基準委員会報告書900『監査人の交代』の改正について」(公開草案)を公表した。

本ページで以前に紹介した、不正リスク対応基準とも関連する、監査人による不正対応をより充実させるための改正である。

今回の改正にも言えることであるが、監査人の交代に関する規定は、改正の度に内容が増え、より具体的になっている。最近の規定に比べると、昔は一般的な規定しか設けておらず、簡素であった。

ところで、監査人の交代が問題になる場合の多くは、不正絡みであろう。

前任監査人にしてみれば、不正は知らなかったことにして、辞任したい。不正を看過してきた責任は後任監査人に押しつけてしまいたいと考える者も出てこないとも限らない。その場合、後任監査人にしてみれば、不十分な引継により、ババを引かされる形になる。後で不正が発覚した場合、最も非難され、責任追及されるのは後任監査人になる。

また、重要情報が引き継がれなかった場合、最悪の場合は「言った」「聞いていない」の水掛け論になり、責任の所在が不明確になるという問題も生じかねない。

これらは極端な例であるが、監査人間の引継の重要性はお分かり頂けるかと思う。これから不正事例の分析をされるような方は参考とされたい。

114 不正リスク対応基準(案)

金融庁企業会計審議会は、12月11日に「監査における不正リスク対応基準(仮称)の設定及び監査基準の改訂について(公開草案)」を公表した。

改訂案では、
・平成26年3月期の財務諸表監査から適用
・対象は主に金融商品取引法に基づいて有価証券報告書等の開示を行っている企業
となっており、3月決算の上場企業の場合、平成25年4月から新基準による監査が実施されることが予定されている。

不正リスク対応基準案の中で、特徴的なのは、監査人の職業的懐疑心が強調されている点である。

また、不正リスク対応基準の策定の基本的考え方では以下の点が記載されており、あくまで従来の財務諸表監査の枠組内での基準改訂であることが強調されている。
・重要な虚偽表示と関係のない不正は対象としていない点
・不正摘発を意図したものでなく従来の財務諸表監査の目的の範囲内の監査である点
・リスクアプローチの範囲内で、監査の有効性を確保するものである点
・不正を原因とした重要な虚偽表示のない財務諸表を作成する責任は経営者にあるという点

企業サイドの対応としては、従来と同様に、不正リスク対応基準に示された不正リスク要因等の例示項目を参考にして、社内の状況を定期的に点検し、不備がある場合は、是正を図ることが重要と考えられる。

113 監査業務に関する議論

平成24年11月16日、企業会計審議会監査部会は、監査業務に関連する以下の4項目について議論がなされた。

(1)多様な監査業務(学校法人監査等)に応じた審査のあり方

(2)監査契約書のあり方

(3)監査報告書の記載内容

(4)公認会計士と依頼者との契約に基づいて行われる非監査業務(株価算定等)のあり方

上記のうち、「(2)監査契約書のあり方」においては、報酬の額について、予定していなかった追加的な手続等が発生した場合の、我が国の規定(監査契約書記載の監査約款に基づいて、監査人と被監査会社の双方が誠意を持って協議する)と、米国の規定(追加の監査報酬は当法人の標準単価に基づき計算され、当初の監査契約書に記載された監査報酬に加算される)についての比較から、我が国のインセンティブのねじれについて議論がなされた。

また、「(3)監査報告書の記載内容」については、強調事項等の活用の可能性や義務的記載事項の拡充の是非について議論がなされた。

同部会では、平成24年9月25日にも不正に対応した監査の基準の考え方(案)について議論されており、監査制度に関する積極的な議論がなされている。投資家をはじめとする利害関係者・被監査会社・監査人の多くの理解を得ることにより、監査制度自体の信頼を向上するため、現場にある声について、十分な広い議論がなされていくことが望まれる。

106 会社法制の見直しに関する要綱案の検討

法務省は7月18日、法制審議会会社法制部会会議を開催し、事務職側から提示された「第一次案」をもとに「会社法制の見直しに関する要綱案」の検討を実施した。

これによると、以下の事項が検討されたようだ。
1.監査・監督委員会設置会社制度の創設
2.社外役員の独立性の強化
3.監査役の監査人の選解任・報酬に関する決定権の付与
4.多重代表訴訟制度の創設

社外取締役の義務化については、経済界の反対により見送られたようである。

「多重代表訴訟制度」とは、親会社の株主が子会社の役員に対して株主代表訴訟を提起できる制度のことである。これまでは親会社の株主は子会社の役員を直接追及することはできず、親会社の役員が子会社の役員を兼務する場合等が多いため、親会社の取締役を通しての追及も難しかったことが背景にある。

今回の法改正の検討からも分かるように、これから監査・監督に関する法整備がより一段となされることになる。

106 Revision of the Companies Act

Ministry of Justice held a board of committees on July 18 2012 to discuss revision of the companies act based on a first draft submitted by staffs.

 According to the minute of this meeting, discussion seemed to cover the topics as below.

1. Foundation of the audit/supervising committee
2. Reinforcement of independency of the outside directors
3. To give a right to determine the appointment and remuneration of independent auditors
4. Multiple shareholders’ derivative action

Proposition on obligatory outside directors has been deleted from the draft due to the strong opposition from economic circles.

Multiple shareholders’ derivative action is a system that renders shareholders of a parent company a right to make a shareholders’ derivative action against directors of its subsidiaries. This reflects the context that shareholders of a parent company was not allowed to make such an action against directors of its subsidiaries before, and since directors from a parent company often become directors of its subsidiaries as well, it has been hard to make an action towards their responsibility.

As you can see in this discussion, audit and supervision over companies will become lawfully more reinforced in the future.

102 監査基準等の見直し

 金融庁は、平成24年5月30日に企業会計審議会監査部会を行い、昨今の不正を踏まえ、監査基準等の見直しを行うこととした。

 その中では、
・「違法行為の発見は監査人の義務ではない」と考える監査人と、「重要な違法行為は監査人に発見してもらいたい」と考える利用者の考えのギャップ(いわゆる期待ギャップ)を埋めるために、広範な監査手続なども議論すべき
・金融庁や公認会計士協会におけるレビューが厳しく、調書の作成に多くの時間が費やされ、実際の監査が行われる時間が減っている
・被監査会社との直接契約による心理的な圧迫感
などの意見があった。

 現在、監査人を頻繁に変更することは、良くないような風潮があるが、積極的な監査人の変更により、新たな視点から監査を受けることも企業の信頼度をあげる上で有用と考えられる。監査人の交代や不正に対応する監査手続の増加は、被監査会社への負担が増加することになるが、それをどう解消していくのか。財務諸表監査のメリットを受ける立場として、監査報酬を、被監査会社のみではなく投資家にも監査報酬の一部を負担してもらうことなども案として考えられるのではないか。

 我が国にも公認不正検査士(CFE)など資格も存在するが、今後これらの専門家の利用が増加していくのであろうか。重要な虚偽表示につながる不正の発見に対する財務諸表監査への期待ギャップをどのように埋めていくのか。今後の議論に注目である。

102 Consideration of the reform of the audit standards

Corporate Accounting Board Audit division of Financial Services Agency decided on May 30 2012 to consider the reform of the audit standards, after some incidents of corporate fraud these days.

The followings are the opinions raised in the board meeting.
– There is an audit expectation gap between stakeholders and auditors, in which auditor think that finding fraud is not obligatory for auditors and stakeholders would like auditors to discover the illegal act. This gap should be narrowed by applying broader audit procedures.
– Reviews from FSA and JICPA are so strict that auditors require more time spending for preparing the documents instead of sparing more time for actual auditing.
– Psychological pressure from the clients due to the direct contract of the audit.

It is useful for companies to switch auditors voluntarily in order to raise companies’ reliability while they usually think that switching auditors often is not considered to be good for the reliability. Switching auditors and addition of the audit procedure will impose more burden on companies, and how they are going to deal with this is an important point on this matter. Maybe asking investors for a part of the audit remuneration is one of the options.

In our country we also have a certification such as Certified Fraud Examiners, and will its demand increase in the future? How do they solve the audit expectation gap? We would like to see how the discussion will go in the future.

101 私募投信等への会計監査活用

2012年5月16日、JICPAは「年金資産の消失事案を受けての監査及び会計の専門家としての提言」を公表した。

提言の内容は主に以下の4つである。
①年金基金の財務諸表の会計監査の活用
現状では、年金基金の監事の意見が付された決算報告書が厚生労働大臣に提出されているが、会計士等の会計専門家による監査は行われていない。会計士の監査を実施することで開示の信頼を得られるものと考えられる。

②私募ファンドの監査又は監査報告書の確認
年金資産の運用先の私募ファンドの中には、法的形態により会計監査が要請されているファンドもあれば、監査を行っていないファンドも存在する。監査を行っていないファンドに対しては、任意監査という形で会計監査を行うことが望ましい。また、監査が行われていたとしても、年金基金の理事等は運用先の私募ファンドの監査報告書を確認することが望ましい。

③投資一任先の会計監査の実施
上記の私募ファンドに対する監査と同様、投資を一任している投資顧問会社についても監査が行われることが望ましい。また、監査が行われていたとしても、年金基金の理事等は投資顧問会社の監査報告書を確認することが望ましい。

④年金資産の運用に係る検証及び内部統制報告の利用
年金基金の理事等は投資顧問会社がGIPS基準に準拠した表明を行い、それについて会計士等の検証を受けているか確認することが望ましい。
また、投資顧問会社の資産運用業務について、会計士等による内部統制の保証報告書の受領の確認も有効である。

※GIPS基準・・・グローバル投資パフォーマンス基準の略であり、資産運用会社による見込・既存顧客に対する投資パフォーマンス実績の公正な表示と完全な開示を確保するために定められた世界共通の基準。

監査業務を通じて、年金資産の消失事案の再発防止だけでなく、加入者の保護にも役立つことが期待されている。