ごあいさつ

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117 「監査人の交代」基準の改正

日本公認会計士協会は1月29日、「監査基準委員会報告書900『監査人の交代』の改正について」(公開草案)を公表した。

本ページで以前に紹介した、不正リスク対応基準とも関連する、監査人による不正対応をより充実させるための改正である。

今回の改正にも言えることであるが、監査人の交代に関する規定は、改正の度に内容が増え、より具体的になっている。最近の規定に比べると、昔は一般的な規定しか設けておらず、簡素であった。

ところで、監査人の交代が問題になる場合の多くは、不正絡みであろう。

前任監査人にしてみれば、不正は知らなかったことにして、辞任したい。不正を看過してきた責任は後任監査人に押しつけてしまいたいと考える者も出てこないとも限らない。その場合、後任監査人にしてみれば、不十分な引継により、ババを引かされる形になる。後で不正が発覚した場合、最も非難され、責任追及されるのは後任監査人になる。

また、重要情報が引き継がれなかった場合、最悪の場合は「言った」「聞いていない」の水掛け論になり、責任の所在が不明確になるという問題も生じかねない。

これらは極端な例であるが、監査人間の引継の重要性はお分かり頂けるかと思う。これから不正事例の分析をされるような方は参考とされたい。